むげに

これでもみとけ

(writer:きのこ)


昨日、休日で人だらけの銀座へと出かけてまいりました。
ちょっと早足の私は、人人との間をすり抜けるような感じで前にすすみます。
大通りから路地へ入ろうとした、その瞬間。
「すいません」と、女性の声。
振り返ると、おとなしそうで気の弱そうな感じの女性がニコニコとこちらを見ています。
道でも分からなくなったのかしら、と足を止める。


「あのですね、いま、占いの勉強を・・・」
「いそいでますから」


はぁ、占いですか。
そんなものに興味はありませんし、時間もありませんし、無視です。
せっかく足を止めたのに、もう。プンすかですよ。
ナンですか、あなたには私が暇人に見えますか。
女一人でラフな格好で銀座を歩きまわってる、だれも休日をともに過ごしてくれないかわいそうな、時間をもてあましてる女に見えたって言うんですかっ!
非モテですよ、ええ。でも占いなんて信じないし、信じててもおまえさんみたいな胡散臭いのはお断りじゃ。
けっ、バカ。バーカ。


ふぅ。心の中で悪態ついてすっきり。再び銀座をうろつきまわる。
5分後に同じような人に「手相を・・・」なんていわれると知っていたら、あの時さっさと帰宅してましたよ。
えぇえぇ。


あの人たち、ホントに占いのために声かけてるのかなぁ。
実はツボとか売りつけてるんだろうか。
・・・だれか、占われてみてください。
「あなたは人を信じやすい傾向にありますね」なんて、気の利いたこたえが返ってくるかもね。