カラッカラの

(writer:きのこ)


昨日のことです。私は東京砂漠に迷い込みました。
カラカラに乾いた砂と風が、私を孤独のアリ地獄へと追いやるのです。
ああ、人の温かみなんて在る訳がないとすら思わせる街、東京。


砂漠は、某所行き高速バス最終便にありました。
バスにのった途端、貧血に襲われるわたし。貧血のせいで子宮のあたりに激痛。吐き気。目の前は暗くなってきました。
最初は自席でこらえていましたが、パニックになってしまったのと吐き気がこみ上げてきたので、トイレに向かいました。が、開かない・・・過呼吸で手も震えだしたのでうまくあけられないのです。
トイレの前の席の人は、無視です。声を出すのも危なかったので、席に戻って目をつぶることに。
隣の席の人は、延々とぴっぴっぴっぴ携帯メールを打ち続けます・・・
冷や汗が垂れてきていよいよやばいと思い、後ろの人に「具合がわるいのでシートを倒させてください」とつぶやくように告げ、目を閉じました。
目を閉じているあいだに、後ろの人がよきにはからってくれはしないだろうかと考えたりしてみました。
が、姉さん・・・そんなことはもちろんあるはずもなく・・・


バスが着く頃には少し具合も回復し、なんとか歩けそうな感じに。
隣の人には申し訳ないけれど、ゆっくり降りようと荷物を持ち上げた瞬間。
隣の女性の般若のような形相を見た!「ちょっと早くおりてよねっ!!」みたいな。みたいな。みたいな・・・


あなたがいればー つらくはないわぁ この東京さばくー


あなたって誰!バーカバーカ!